”大さじ1”って何グラム?|これが料理を難しくしている!


”大さじ1”って何グラム?

これって、実は、
もの凄く難しい質問なのです。

それは、
量る調味料や液体によって重さが違うからです。


料理のレシピ本などに登場する
”大さじ○○”

そもそも、
これって便利だと思いますか?

私は現役の料理人ですが、
この単位職場では全く使いません。

なのにご家庭ではだいたいコレ!

だって、”大さじ1”で、
重さがそれぞれこんなに違うんですよ!

私はこの”大さじ、小さじ”と言う単位が、
料理を難しくしていると思うんですよね。


スポンサードリンク

調味料別重さと容量の関係

基本的に言われているのが、
【大さじ1は15g】

では計量するものはみんな、
大さじ1=15グラム なのか?

答えはNO!


調味料によって重さが違うのです。
それがこれです。

大さじ1=15グラムの物
・水
・酢
・酒
・ケチャップ

正直、
計量スプーンで計量するものは、
みんな同じグラムになる…くらいの気でいませんか?


密度、体積の関係で同じという事は、
よく考えたらないんですけどね。

それにしても、
大さじ1=15グラム
というものはコレしかないんですね。


それでは15gより”軽い”となるのが

大さじ1=15グラムより軽いもの

大さじ1=6グラム
・粉チーズ

大さじ1=9グラム
・片栗粉
・小麦粉
・上白糖

大さじ1=12グラム
・油
・バター
・グラニュー糖
・ベーキングパウダー
・マヨネーズ

次に重たいもの

大さじ1=15グラムより重たいもの

大さじ1=18グラム
・醤油
・みりん
・味噌
・ウスターソース

g(グラム)やccといった単位、
だけで表記すればいいのに、

あえて、
”大さじ”に単位を換算し直すのは、
無駄な行為だと思います。


例えば、
味噌30gを大さじ表記する場合、
味噌18gが大さじ1だから、

味噌を30gは、
だいたい大さじ1と1/2
何なんすかね、この表現。

しかも、
この表現ですと27gしかないんです。


分かりやすいですかコレ?
こんなのはっきり言って料理人使いません。

しかも、
『味噌は大さじ1の時18g』
という事を知っていないといけない。

これ覚えているのかなり面倒くさくないですか?


もう一度言いましょうか?
こんな単位現場では使いません。

この大さじ表示知らなくても、
料理は作れますよ。

しかも、
料理人はもっとアバウトです。
「そんなんでいいの?」
って感じで味付けちゃいます。

では、
料理人はどういう味付けをしているのでしょうか?


スポンサードリンク

料理人の味のつけ方

料理人の味のつけ方は
・割(わり)
・微調整
です。

割(わり)とは、
出汁や調味料を入れる割合のこと

しかし、
その割合の分量だけ入れて
”おしまい”
というのではなく、

仕上げには必ず微調整します。

それは、
・素材から出る水分量で加減したり
・季節の変化や
(暑い時は塩分を強めるとか)

と言った具合です。


例えば、
肉じゃがでしたら

・出汁 8
・醤油 1
・みりん1
・酒  1

これだけです。

この割りの良い所は、
応用が利くところ。

1人前でも5人前で同じ割り。

この単位の”1”の部分の量を、
100ccにしたり200ccにしたりして、
総量を調整します。


特に、
この8:1:1:1の割りは
『八方だし』
といって万能な割合なのです。

大体の煮物はこれで行けます。


ここからもう少し応用すると、

■揚げ物などにかける“あんかけ”などは、
 5:1:1:1

■青菜のお浸しなどに漬ける地は
 12:1:1:1

と言った感じで、
出汁の量を加減して、
濃くしたり薄くしたりしているだけなのです。

それで、
「もう少ししょっぱい方が良いな」
と思えば、
醤油の量を増やせばいいし、

その逆もしかりです。


料理人と一般の方の考え方の違い

極端な話、
100種類の料理があったなら、

「100種類の味のつけ方を、
 知らなければいけないんでしょ?」

というのが素人さんの考え。


料理人は、
いくつかの割りのパターンを身につけ、
応用させているので、

キーになる”割り”さえ知っていれば、
料理は無限大に作れてしまうのです。


あと、
割りのない料理はどうやって作るのか?

それは、
割をずらして調味料を少しずついれて、
味を決めます。

自分の舌が覚えている、
完成の味に近くなるように、
調味料を少しずつ加えて行く…。

たったこれだけなんです。


さいごに

ご家庭の主婦の方は特に、
料理を難しく考えすぎていると、
私は感じます。

料理人の視点から見たら、
”大さじ”システムは、
かなり複雑で分かりにくいです。

私は、
この大さじ表記にとらわれないで、
料理をした方がもっと簡単に料理が出来ると思います。

「この量でなくてはいけない」
ではなく、
「このくらいの量で様子をみてみようか」

くらいの感覚で料理に取り組めると、
料理が楽しくなってきますよ。


スポンサードリンク


コメント

タイトルとURLをコピーしました