元プロ野球選手が高校野球監督になるには条件が厳しかった?やはり少ないその理由!

スポーツ


智弁和歌山高校 野球部の名将
高嶋仁監督の勇退に伴い、

阪神 楽天 巨人でプレーした
中谷仁さん
が監督に就任しました。

名門野球部の指導をプロ野球出身者が行うということで、
話題になりました。

これは、
我が国の野球の発展やレベル向上のために、
大変いいことである、
と私は思います。

プロ出身の高校野球監督の人数は、
歴代のプロ野球選手の数と比べても、
とても少ないのではないでしょうか。


個人的に前から疑問に思っていたのですが、
”プロ野球出身者がアマチュアの選手を教える”
日本にはここに何か大きな壁がありますよね。

元プロ野球選手が高校野球監督になるには、
何か特別な条件でもあるのでしょうか?

そこには、
プロとアマチュアの深い溝があったのです。


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元プロ野球選手が高校野球監督になるには?

元プロ野球選手が高校野球監督になるために、
以前は”大きな壁”がありました。

それは、
中学校、高校での教諭勤務

1961年にプロ野球とアマチュアの間で起きた、
柳川事件よって、
1984年まで双方の関係は完全に絶縁状態でした。

その後
「10年間の教員として勤務実績が必要」
という条件に緩和されたものの、

プロ引退後、教員になり、
しかも10年間勤務するということは、
決して簡単なことではありません。

これが、
元プロ野球選手が高校野球の監督を断念する、
大きな理由でした。

その後、徐々に必要年数が緩くなり、
1994年に「5年」
1997年に「2年」と短縮していき、


2013年大きな変化が生じます。

【学生野球資格回復制度】が改正され、

プロ野球関係者が学生野球を指導するには、
講習受講のみ
という条件まで緩和されました。

【NPBプロ研修会】  1日
【学生野球研修会】 2日

の2つの研修会(計3日)を修了し、
日本学生野球協会の審査を経ることだけで、
指導ができるようになりました。


そもそも、
先ほど登場しました、

柳川事件以降、
”プロはアマチュアと接触してはいけない”
と言う厳しい決まりごとが打ち立てられました。

たとえ、
それが親子であっても、

元プロが高校生以上のアマチュア選手に、
指導を行うことは、

・特定球団との癒着
・引き抜き行為につながる恐れがある

として禁止されていました。


では、
なぜプロとアマチュアの間に大きな溝が生じたのでしょうか?

ということで、
柳川事件というものについて、
触れておかなければなりませんね。


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プロとアマチュアに深い溝が生まれた原因

日本野球界において、
プロとアマチュアの関係を最悪な状態にしたのが、

柳川事件
です。


以前は、
プロ側と社会人野球側で、
選手契約に関する取り決めが交わされていました。

ドラフト制度ができる前は、
プロ側が欲しい選手を、
社会人野球側から自由に獲得することができました。


しかし社会人側とて、
秋の社会人野球日本選手権前に主力選手を、
何人も引き抜かれては困る為、

【3月1日〜10月31日の間は
社会人野球の選手をスカウトしない】

というルールを定め、プロ側もそれに従っていました。


当時の状況として、
プロを引退した選手のセカンドキャリアもまた、
社会人野球でした。

しかし、

引退した元プロ選手が、
社会人野球のチームに加わるということは、
チームの力関係も乱れてしまいますし、

地道にやってきた選手が元プロに、
簡単にポジションを奪われるケースも生まれ、
チーム内の秩序も乱れてしまいます。


そこで1960年、社会人側は、
それらを防ぐ為に、

・社会人チームに登録できる元プロは退団から1年後
・人数は 1チーム3人まで

という細かい制限もうけました。


しかし、
これに反発したプロ側は協定を破棄し、
ある行動に出ます。

それまで禁じられていた春の時期に、
中日が日本生命の柳川福三外野手と契約を交わしてしまいました。

これにより、
プロとアマとの信頼関係は崩壊!


それ以降、
社会人側はプロ野球界との関係を断絶し、
両者に深い溝ができてしまったわけです。

ここに、
元プロがアマチュア側に深く立ち入れないという、
異質な状況が生まれたのです。

つまり、
高校野球監督にプロ出身の人間が少ないという現象、
もです。


必ずしも、
プロの世界で生きてきた選手が、
いい指導者になれるとはいいませんが、

選ばれし”野球エリート”の経験や理論は、
決して無駄な知識になることはないでしょう。

そういう視点でみれば、
プロ経験者がその知識や経験を伝授できないということは、
日本野球界において非常に大きな被害損出ではないでしょうか!


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最後に

最近でこそ、
3日の研修で簡単に高校野球指導者になれるようになり、

プロ野球出身者のセカンドキャリアに、
”高校野球監督”
という選択肢も選ばれるようなったと、
言えるのではないでしょうか!


もしかしたら、今後、
イチローや松井秀喜あたりが、

高校野球などの指導に当たる可能性だって、
なくはない話です。

そういった意味でも、
野球界全体が一つとなって、
アマチュアや学生の指導をプロが受け持つ時代…

あってもいいのではないでしょうか。


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