プロ野球FAランクとその基準とは?人的補償が発生する条件とは?

スポーツ


プロ野球のシーズンが終わると
来季に向けて戦力の整備が進められます。

その一つに、
フリーエージェント(FA)
が挙げられます。

一定期間
一軍選手登録されると
(一軍選手登録日数を145日とし
高卒 8年/大卒、社会人卒 7年)

FAの権利を得るのですが、

この時、人的補償という、
言わば選手の”交換要員”的なやり取りが
行われるケースもあります。

2018年のケースでは、
広島 丸佳浩のFAの際
巨人 長野久義が人的補償として、
広島に移籍しました。

また、
西武 浅村栄斗のFAの際には、
楽天からの人的補償は発生されませんでした。

この違いは一体どう違うのでしょうか?

そこにFA選手のランクというものと、
人的補償のルールが存在します。

これらをわかりやすく
説明していきたいと思います。


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FA選手のランクという物差し

例えば、
FAでいなくなる選手が、

チームの4番と
中継ぎ投手とでは、
抜けた穴の大きさは同じとは言えませんよね。

そこで、
選手を年俸でランク分けして、

「その抜けた穴の大小に見合った補償をします」

というものの基準が、
FAランク
というものになります。


このFAランクは、
A、B、C
と分けられています。

その基準となるものが、
前の年の年俸
なのですが、

その内訳として

<Aランク>
チーム内上位3位の年俸の高い選手

<Bランク>
チーム内年俸上位4位〜10位までの7選手

<Cランク>
それ以下の年俸の選手

という事になります。


そして、
補償の内容ですが、

<Aランク>
・金銭補償のみ(FA選手の旧年俸の80%)
・人的補償と金銭補償(同上の50%)
のどちらか

<Bランク>
・金銭補償のみ(FA選手の旧年俸の60%)
・人的補償と金銭補償(同上の40%)
のどちらか

<Cランク>
・補償なし

となります。

人的補償が発生するのは、
Aランク、Bランク

引き抜かれた側の球団は
人的補償あり、無しの選択が可能です。

並べて書いてみますと

年俸の順位
1位 Aランク 人的+金銭補償/金銭補償
2位 Aランク 人的+金銭補償/金銭補償
3位 Aランク 人的+金銭補償/金銭補償

4位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
5位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
6位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
7位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
8位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
9位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償
10位 Bランク 人的+金銭補償/金銭補償

11位 Cランク 補償なし
12位 Cランク 補償なし〜

ということになります。

ここで注意したいのが、
この年俸の順位は日本人選手のみ。
外国人選手は含まれません。


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2019年のFA市場

2019年のFA市場で見てみますと、

ソフトバンク
福田秀平外野手は
補償の発生しないCランク

なので、
獲得しても痛みを伴わないFAと言えます。

ですので、
比較的補強を積極的に狙えます。

また、
楽天 美馬学 (Bランク)
ロッテ 鈴木大地 (Bランク)

に関しては、
人的補償の発生の可能性があります。


現時点で、
・美馬→ロッテ
・鈴木→楽天
が決定的な状況でして、

この両チームが人的補償を求めた場合は、
2対2のFAトレード
のような形になる可能性もみられます。

この2人の”FA”交換トレードに関しては、
人的補償という
他の選手の”巻き添え”トレードは
あまり見たく無い気が個人的にはしますね。


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FAと巨人と価値

FAといえば、
巨人の一人勝ち、独り占め状態でした。

1993年〜2018年まで
90人のFA移籍がありました。
(同一選手の複数FAも含む)

そのうち巨人はダントツの
26選手を獲得。

2位のソフトバンクで13人と倍の数。
数こそ全体の3割弱の数字ですが、

巨人のFA獲得選手は、
各チームのビッグネームが名を連ねます。

落合博満
広澤克己
工藤公康
江藤智
清原和博
小笠原道大
村田修一
杉内俊哉
丸佳浩…

各チームの4番やエース級の選手をこぞって獲得
『FAは巨人のためにあるのか?』
と言いたくなるような獲得選手たちです。

しかし、
2013年より毎年続いていたFA加入も
2019年には途切れる可能性が高くなっています。

というのも
その巨人に断りを入れる選手が相次ぎました。

最近の巨人FA加入選手は、
出場機会に恵まれず、
埋もれてしまうケースが多く見受けられます。

ここ最近の巨人のFA戦略は、
補強というより、
他球団の戦力を削ぐ戦略のように見えてなりません。

その状況をしっかり把握し、
出場機会を求めて冷静に判断した結果の
2019年のFA市場。

今後のFAの価値が、
大きく変わってきそうな移籍になりそうです。


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