横綱の昇進条件とは?今の基準で稀勢の里の綱取りは妥当?時期尚早?

スポーツ

大関・稀勢の里が,
悲願の初優勝を果たしました。

小さい頃、親父が言っていました。
「大関でモタモタやっていると横綱にはなれない」と。

何度かの昇進チャンスを逃してきて、
これが最後のチャンスかも?しれない、
綱取り物語。

協会も国民も期待が高い、
”日本人横綱”の誕生。
稀勢の里の綱取りはあるのか?

現在の昇進条件で、
もし稀勢の里が横綱になったら過去の二の舞にならないだろうか?

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横綱昇進の条件の変遷と推移

そもそも、
横綱昇進の条件であるが、

「大関の地位で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を上げた力士」

これが、
横綱昇進に関する基本ライン、
となるのであるが、

実際のところ
『大関で2場所連続優勝』
が近年の昇進の絶対条件であった。

優勝に”準ずる”成績とは?

ただ何かと問題になるのがここの部分。
「それに準ずる成績を上げた力士」
この解釈がコロコロ変わってしまうのが難しい。

優勝に準ずる成績=準優勝

となるのであるが、

この準優勝の解釈が

準優勝=優勝決定戦で負ける優勝同等の成績

から、

準優勝=優勝者の次に良い成績

という意味合いに格下げしてしまったのだ。

そして、基本的に少なくとも、
昇進2場所前と昇進直前場所が
優勝+準優勝
というのが暗黙の了解であった。

しかし、
準優勝+準優勝
で”横綱”
と、かなり緩い基準で横綱になった大関もいる。

1980年以降で、
千代の富士より後の横綱
で検証してみると、

基準となる
昇進2場所前と昇進直前場所で、
優勝をしていないのが

・双羽黒(北尾)
・大乃国
の二人である。

実際、
千代の富士以前も何人かは存在するが、

大乃国関して言えば、
昇進3場所前に全勝優勝をしている。

こと双羽黒に関して、

横綱昇進後、
立浪親方と意見の対立(師匠と喧嘩で)、
部屋を飛び出し横綱在位わずか8場所で、
引退ではなく廃業に。

優勝未経験の横綱は時期尚早と、
”横綱としての品格”
にケチがついた。

この件で、

横綱昇進の基準のハードルが、
『大関で2場所連続優勝』
とグッと高くなってしまったのだ。

しかし、
第63代旭富士から第70代日馬富士まで続いた、

この、”大関で2場所連続優勝”の条件が、
第71代鶴竜の時に崩れたのであった!

そして、
以上のことを踏まえて、
第72代目候補の稀勢の里である。

稀勢の里の綱取りは、
果たして妥当なのか?

それとも時期尚早なのか?

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稀勢の里の綱取りは?

2017年初場所で初優勝の
稀勢の里

その最近1年の成績はというと、

平28初 9勝6敗
平28大阪 13勝2敗 準優勝
平28春  13勝2敗 準優勝
平28名古 12勝3敗 準優勝
平28秋  10勝5敗
平28福岡 12勝3敗 準優勝
平29初  14勝1敗 優勝

この一年で、
準優勝4回と、
安定していると言えば、安定しており、
白鵬を破っての初優勝。

しかし、
勝ちきれない印象で、やはり物足りない感もぬぐえない。

厳しい言い方をしてしまえば、
1度くらいの優勝ならば、
平幕の力士でもできてしまう。

しかし、
横綱たるもの、優勝争いに名を連ねてなんぼの世界。

まして、
一人で角界を牽引してきた、
長年ライバル不在の白鵬を引き摺り下ろす、
横綱の登場を待ち望んんでいるのも事実。

それには、
”強い稀勢の里”でなければならない。

”横綱になって強くなる”
ではなく、
”強いから横綱になる”
であって欲しいのである。

双羽黒は横綱昇進当初は
『仮免横綱』
などと皮肉られていたのだが、

元はと言えば、
選んだ人間が見る目が無かったというのも、
無くはない話。

今一度、
”勇み足”にならぬよう、
焦らず吟味してもらいたい。

2場所前の準優勝で、
「大関の地位で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を上げた力士」
には該当するものの、

この成績で横綱になることに、

最近の選考の流れからすると、
やはり100%”スッキリ”とはいかず、
少々不安が残る。

個人的な見解では、
稀勢の里には、強い横綱になってほしいので、

やはり”2場所連続優勝”で、
”スッキリ”文句無しに横綱に昇進してもらいたい
という思いである。

最後に

記録的に、
昇進の条件としては双羽黒を超えたものの、

『”ルール改正”によって生まれた横綱』
と言われないように、
勝負強い横綱になってくれれば良いのだが。

”キセノンがまた昇進条件を厳しくさせた…”

そのようなことが起こらないように、
祈るばかりだ。

ただ、
日本人横綱誕生には大いに期待したい。


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