高校生と大学生が、
プロ野球選手になりたい場合、
『プロ野球選手になりたいです』
と意思表示するものが、
プロ野球志望届。
これを提出しないとプロ野球選手なれない
というから、
とっても重要なモノのようですが、
一般企業で”志望届”のようなモノ、
「あったかな?」
って感じですね。
そもそも、
なんでプロ野球に入りたい人は、
志望届なんてモノを提出するのか?
これには、深〜い理由があるようです。
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なぜ志望届の提出が必要?
プロ野球志望届
というものですが、
プロ野球を志す、
全ての人間が提出するのか?
というと、決してそうではないようです。
提出義務があるのは、
高校生と大学生。
そもそも何故、
こんな制度が誕生したのか?
というと、
大学進学や社会人野球を希望していた高校生を、
プロ球団が強行指名して、
プロとアマとの間でトラブルが続出したことに端を発しています。
1985年 巨人・KKドラフト事件(桑田真澄)、
1994年 ダイエー・城島健司
彼らは当初、進学を希望していました。
それを無視して強引に、
ドラフト指名を行いました。
では、
なぜこれがいけないのでしょうか?
それには、
プロ野球とアマチュアの深い溝に、
大きく関係があります。
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プロとアマチュアとの深い溝
日本のプロ野球とアマチュアの関係は、
超が付くほど良くありませんでしたが、
その関係断絶の原因となった、
柳川事件というものがありました。
簡単に言ってしまうと、
社会人野球は、
プロ野球の引退選手の受け皿、
という時期がありました。
しかし、
引退したプロの選手が、
どんどん社会人チームに入ってくると、
それまで地道にやっていた、
アマ選手の居場所が簡単に奪われるばかりか、
チームの強さの秩序も、
元プロ野球選手の入団によって、
大きく左右される為、
・退団後1年は経たないとダメ
・1チーム3人まで
と、アマ側が制限をかけたのです。
しかし、
プロ側がこれに反発。
今まで守られてきた、
そして1番越えてはならない、
『秋の社会人野球日本選手権が終わるまで、
プロ側は社会人選手をスカウトしない』
という協定を破って、
柳川選手をプロ野球に引き抜いてしまったのです。
これが柳川事件。
この事件を境に、
プロとアマの関係は完全に断絶。
プロ野球選手が、
子供に野球を教えることすら出来なくなりました。
と、話が長くなりましたが、
話を戻しまして…
アマ側としても、
リーグ運営やレベルアップ、レベル維持の為、
有能な人材が欲しいのです。
しかし、
選手の意思を尊重すると、
大多数はプロ野球に流出します。
その為、
プロ野球になる意思のない選手は、
いわばアマチュア野球を支える貴重な人材。
それを強引にプロ側に引き抜かれては、
たまったもんじゃありません。
そんな経緯と過去の反省を踏まえ、
その線引きをキッチリさせる為に、
志望届が必要となったのです。
責任の所在
また、
2003年度まで、
高校卒業見込者が、
プロ野球球団関係者と交渉するためには、
退部届を提出する必要がありました。
しかし、
退部だと卒業まで、
未成年喫煙・飲酒等の規律違反を問えない可能性があるため、
(ダルビッシュ事件)
退部届ではなく、
野球部に籍を残すことのできる、
志望届に変わりました。
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志望届を提出しないと?
高校生に関しては、
夏の甲子園閉幕後に受付を開始し、
プロ野球ドラフト会議開催前まで受け付けます。
プロ志望届の提出を辞退した場合、
大学進学もしくは一般企業就職希望者とみなされ、
プロ野球のドラフト指名を受けることができません。
なので、今では、
強行指名は行われることはありません。
また、
プロ野球志望届を提出して、
指名がなかったり、入団を拒否した場合は、
大学進学(4年)
一般企業就職(社会人野球3年)
待つしかなかったのですが、
2006年からは、
プロ志望届提出者で過去ドラフト指名を受けなかった、
四国アイランドリーグやBCリーグ在籍者は、
高校を卒業した翌年度 からドラフト指名の対象となることが可能となりました。
つまり、最短で、
高校卒業後1年でプロ野球に指名されることが可能となりました。
まあ、それにはそれなりの実力を、
兼ね備えていないといけませんけどね。
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最後に
過去5年のプロ野球志望届提出者の数は、
このようになっています。
2013年:高校生71人・大学生56人
2014年:高校生94人・大学生71人
2015年:高校生78人・大学生81人
2016年:高校生105人・大学生111人
2017年:高校生106人・大学生105人
現プロ野球球団は12チーム
仮に全チーム6巡目までドラフトで指名したとしても、
72人。
そのうち、
志望届提出の義務のない社会人を含めると、
プロ野球選手になるというのは、
本当狭き門であることがわかります。
志望届を出せるだけでも、
なかなかできることではありませんが、
多くの志望届提出者が成功を掴み取れることを、
1番プロ野球ファンとして応援したいと思います。
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