プロ野球現役ドラフトとはどんな制度?お手本ルート5ドラフトと導入の問題点!

スポーツ


プロ野球の選手会側が要望し、
早ければ、
2020年シーズンからの導入を目指している

現役ドラフト
と言う制度をご存知でしょうか?

簡単に言ってしまうと、
【出場機会に恵まれない選手を救済するための制度】
なのですが、

”現役ドラフト”とは一体どのようなものなのでしょうか?


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現役ドラフトのお手本、大リーグ版”現役ドラフト”とは?

日本プロ野球の選手会が、
現役ドラフトを最初に訴えたのは

2017年

導入目的は、先ほども申しました通り、
”出場機会に恵まれない選手を救済するための制度”
なのですが、

この制度を導入を推し進める背景には、
アメリカ大リーグが同じような制度が確立し
すでに機能しているからです。

その名は、
”ルート5ドラフト”
これがお手本となっています。


では、
目指すべきモチーフとも言える
”ルート5ドラフト”を見ていきましょう。

この制度は、

対象選手が、
・メジャー契約40人枠に入っていない選手
(マイナー契約選手)

・18歳以下入団で在籍5年以上
 19歳以上入団で在籍4年以上の選手

を他球団がドラフト指名できる制度

指名選手を獲得した球団は、
・獲得選手を翌年のシーズン全期間でベンチ入り25人枠に登録しなければならない
(ベンチ入りさせない場合は元の球団に返す)
・旧所属球団に10万ドル(約1080万円)を支払わなければならない

もっと簡単に説明すると、
4,5年やって一軍に上がれない
”実力のある”選手をドラフトという形で引き抜いて、
開花してもらおうというシステムです。

日本にこの”ルール5″を当てはめると、
少々手直しが必要かと思いますが、
基本的な仕組みはほぼ同じかと思います。

例えば日本で導入するなら、

・一軍登録が〇〇試合未満の選手
・高校からなら入団4年以降
・大学、社会人なら入団3年以降

あたりが同じような条件となるでしょうか?


このように、
選手会がやりたい”現役ドラフト”というものの概要が見えてきました。

ひと昔では
”なんてユルい制度”
”チャンスは己で掴み取るもの”

といった声も聞こえてきそうな制度ですよね。

働くチャンスを均等に与えよういう試み…
悪い制度ではありませんが、
やはり今風のシステムの感じも否めません…。


そんな現役ドラフトですが、
導入にあたっての問題点はないのでしょうか?


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過去2度の失敗例とこの制度の問題点

日本でこの制度が導入されると、
間違いなく生じる構図が見えてきます。

ここで気になるのが、
”実力のある”選手がくすっぶっているのか?
という事です。

アメリカ大リーグの場合、
全世界からの実力者が集結する場所であり、
”実力のある”のに出場機会に恵まれない選手が多い
というのもうなずけますが、

実際日本ではどうなんでしょうかね?
層の厚いチームならそういった選手はいそうですが、
プロ野球全球団を見回してみたらどうでしょうか?


そもそも、
この”現役ドラフト”ような制度は2度ほど存在していました。

1度目は、
1970~72年に行われた
【トレード会議】

2度目は、
1990~91年に行われた
【セレクション会議】

そのうち、2度目のセレクション会議では、

・選手を出し惜しみする
・戦力外同然の選手しか市場に出さない

といった本来の目的を果たせない状況を生んでしまいました。

その理由が、
各球団がリストアップした選手を非公開としたためです。


ですので、
この制度を成功させるためには、
選手名を公表してオープンさせる事。

これは成功させる必須条件ですね。
アメリカではもちろん公表して行われています。


ですが、
チームとしては戦力の流出はなるべく避けたいところですよね。

そうなると、
制度の裏を書くような…

例えば、
流出させたくない選手をプロテクトではありませんが、
とりあえず一軍に上げて条件に当てはまらないようにしてしまう
…とか。

球団側がこの制度を選手のために!
と親身になって用いるかどうかですね。


個人的には、
戦略が均衡して良いと思いますが、

私はおそらく何年も続かないと思います。
もしくは
導入もままならないのでは?と思います。

というのも、

それは、
取るチームと取られるチームとに露骨にわかれる
ということです。

「ドラフトで全チーム選手を出して、
取るのだから、平等なのでは?」

確かにそうなのですが、
一言でいうと選手レベルの差

もっと言うと、
お金がある球団とそうではない球団の差
これに大きな差があるのです。

どういうことかというと、
巨人やソフトバンクなどの選手層が厚いチーム。

こういうチームには、
当然、下でくすぶっている原石が多くいるのですが、

あまりお金のないチームには、
下で遊ばせておく選手などそうはいません。


巨人やソフトバンクは必然的に、
力のある選手を放出しなければならず、

他のチームはそれに見合った選手を用意できない。

つまり、
選手層の厚いチームは見返りが少なく不利
選手層の薄いチームは見返りが大きく有利
な制度と言えるのです。

となると、この制度
巨人やソフトバンクが、
進んで導入に賛成!といきますかね?

まして、
球界に大きな発言力をつチーム。
導入にあたって全球団の合意は得られますかね?


もし”現役ドラフト”が導入されたなら、
狙われるのはおそらく巨人でしょうね。

ひと昔の巨人で、
いわゆる”くすっぶっている(た)選手”を挙げるなら、
・大田泰示
・一岡竜司
・和田恋(最近ですね)
ここら辺の選手でしょうね。

実際、
巨人でくすぶっていた、
大田や一岡は見事ブレイクに成功。

「やっぱり実力あったんだ」
「巨人出てよかったね」

という印象です。


巨人みたいにFAやトレードで、
一軍レギュラーが頭打ちの状態のチームにあって、
出場の出番が回って来ず、

他球団にトレードという形で、
新しい活躍の場を得て輝きも得たわけですが、

トレードと現役ドラフトの違いは、
選手を選べないという事。

「この選手を出すからそれに見合った選手頂戴!」
とはいきませんよね。

この抱えている選手の、
層の厚さ、球団格差が現役ドラフトの問題点ではないでしょうか。


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